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DAZED KOREA 12月号 東出昌大インタビュー 「ある適合」

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Text Ji Woong Choi

 

2013年、富川国際ファンタスティック映画祭で見た映画『桐島、部活やめるってよ』には「桐島」が登場しない。映画のエンドロールが流れるまで桐島がなぜ、どこへ消えたのかも明かされない。その代わり、彼の不在を取り巻く個々人の異なる顔をいくつもの視点から照らすだけだ。よくある青春映画の概要を説明しているように見えるが、実際は青春映画の公式と幻想が壊れる地点から話は完全に新しく始まる。桐島不在のこの映画で最も印象的なのは菊池宏樹役を演じた俳優、東出昌大だ。秘密を胸にしまったような揺れる表情で夕陽の下に立っていた彼は上手いというにはまだまだだったが、強く見えた。

数年が経ち今年の秋、東京の街で会った東出昌大は自分自身に適った顔を見つけたというように、成熟した俳優の顔をしていた。

 

 

比重は大きくなかったが、俳優デビュー作である映画『桐島、部活やめるってよ』はとても印象的なスタートだった。

モデルを辞め、初めて挑戦した演技が『桐島、部活やめるってよ』だった。演技を学んだこともなく、ひとつも分からない状態で撮影現場に行ったのだが、「とにかく一生懸命やろう、逃げるのだけはやめよう」という思いだけだった。

 

桐島、部活やめるってよ』の韓国版ポスターにはあなたの顔が大きく載っており、興行もよかった。この話を知っているのか?

ポスターは見たことがあるが、反応がよかったのは知らなかった。僕とマネージャーはその話を聞いて驚いた笑

 

有名モデルとしての人生の代わりに、新人俳優として新たにスタートするのは惜しくなかったのか。

モデルの活動をしながら自然と演技に興味を持った。俳優になろうと決心して、それなら当然モデルの仕事を辞めなければいけないと思った。モデルと俳優は完全に違う職業なので。

 

俳優転向した理由が気になる。もしかしてもっと有名になりたいとか、金持ちになりたいと思ったのか。

そのように考えたことはない。『桐島、部活やめるってよ』を撮影しているときも俳優について特に考えていなかった。余裕がなかったという言葉が合っている。でも一緒に仕事をした俳優や制作陣がとてもよい人たちで、彼らに継続して会うことのできる素晴らしい職業だと思い、俳優になることを決めた。

 

そのような意味から映画『桐島、部活やめるってよ』はあなたにとって重要な作品だと考えられる。毎日映画コンクールスポニチグランプリ新人賞と日本アカデミー賞新人俳優賞を受賞し、俳優としての能力も認められ、自信と確信が芽生えたと思うのだが。

桐島、部活やめるってよ』は全ての出演者の演技が好評を得た作品だ。僕が代表として賞をもらっただけだと思っているので、自信にはつながらなかった。実はこの映画の撮影時、自分が演じるという意識さえ持っていなかった。監督の指示通りに動いていただけだった。5年余りが経ち、やっと演技のおもしろさに気づき始めたところだ。

 

最近、日本を代表する監督である石井隆黒沢清の映画に出演した。彼らとの仕事はどのような経験だったのか?

石井隆監督は漫画家出身だからなのか、全シーンのコンテを直接描く。小さな部分までコンテを描き、望むことをスタッフに正確に要求するが、俳優にはコンテを見せてくれない。黒沢清監督はコンテよりは本人の頭の中でカット割りと俳優の動きを決めておく。黒沢監督は「映画は虚構の世界だから俳優の個人的な感情は込めない」と言っていた。シナリオ上の役名も苗字だけで、そんな台本は初めてだったため驚いたのを覚えている。監督は役名や事情に重きをおかず、あらゆる面で天才のようなところを持つ方だ。

 

次期作として『デスノート Light up the NEW world』を選んだ。このシリーズは韓国でもくのファンがおり、来年頭に公開する予定だ。出演を決めた理由が気になる。

デスノート』シリーズの原作者である大場つぐみが直接脚本を書いた作品だ。映画『デスノート』が公開されて10年だが、10年後の今の話が気になったこと、上手く演じられるという確信があったことで出演を決めた。

 

一緒出演した池松壮亮との相性はどうだったか

池松壮亮とのシーンがとても多かった。人間の生と死を描写する熾烈なシーンが大部分で時折、現場の雰囲気が盛り上がったり、鋭敏な瞬間もあったりと常に緊張感が漂っていた。新たな刺激とよい経験になった。おかげで真に迫るシーンが撮れたと思う。

 

出演映画の中で個人的に気になった映画がある。豊島圭介監督の『ヒーローマニア-生活-』なのだが、ヘタレ演技にもためらいがないようだった。韓国であっても日本であっても、モデル出身の俳優がそのような選択をするのは容易くない。「本当の俳優になろうとしているようだ」と思ったのだが。

そうだ。だんだんとよい俳優になりたいという欲が生まれた。イメージなんて全く気にしない笑

 

家族と愛犬と一緒に写るパパラッチ写真が印象的だった。有名人であっても視線を意識せず、素朴に自由に生きているように見えたからだ。あなたにとって「自由」とは重要な価値なのか?

そうだ。有名人だとかっこつける人はかっこいいとは思えない。「どうしてあんな風にするんだろう」と思うほどだ。20代の一時期の人気だけを享受して消えたくない。50代60代になったとき、しっかりとした大人であることを願うし、評価された俳優として残っていたい。立派な大人と俳優になるために、自由と日常を守り抜くことは非常に大切だと考えている。

 

それならば見るまでもなく、あなたにとって「家族」と「愛」は絶対的な存在であるようだ。

なににも変えられない。僕は自分の仕事を愛しているが、仕事のせいで家庭を疎かにしたくない。俳優という職業は役を研究するとき、一人だけの時間が必要で、地方撮影に行けば何日間か家を離れなければならないので、家族にはいつも申し訳なく思っている。家族の配慮と愛があるから可能な仕事だ。本当にありがたい。

 

への愛情格別だとうのだが。

結婚前に自分が飼っていたミックス犬一匹と妻が飼っていた柴犬一匹が僕たちの結婚で家族になった。僕のは愛護センターから保護した子だ。二匹とも5歳で6ヶ月差。めちゃくちゃ可愛い!

 

い年齢での結婚を決めた理由が気になる。

若手俳優としては早く結婚したと思うかもしれないが、一般的に28歳は結婚するのに早くない年齢だ。アジアではアイドルと俳優の境界が曖昧だし、若い芸能人が恋愛をしなかったり、非公開恋愛をしなければならないという暗黙のルールがある。俳優という職業を考えたとき、自由に恋愛をしたり、家庭を築いて責任を持つ経験が個人としても俳優としても成長できるきっかけになると思う。目の前の人気とイメージのせいで愛する人を受け入れることに躊躇するのは愚かではないか。愛する人と適切な時期に結婚しただけだ。

 

結婚を通して、演技に深みが増したとか肯定的な影響はあるのか?

結婚前と後で演技の深みやスタイルが目に見えて変わったのかまだ実感がわかない。ただ、最近子どもが生まれてからニュースや映画で小さな子が犠牲になったという話に触れると特に胸が痛い。いつか「父親」の役をするとしたら上手くできそうだ。

 

ありきたりな質問だが、奥さんと子ども、大切なのはどちら?

ひとつのシュークリームをふたつに割ってどちらがいいか聞くのと同じだ。

 

これもありきたりな質問だがこういうことが気になるのだ。韓国俳優監督きな名前はあるか

俳優ソン・ガンホキム・ギドクポン・ジュノパク・チャヌク、ヤン・インジュン監督などとても多い。韓国映画は勉強によく見る方だ。『リンダ・リンダ・リンダ』の女優ペ・ドゥナと仕事してみたい。

 

韓国のファンがあなたを待っているが、『デスノート Light up the NEW world』の韓国公開に合わせてあなたを招待したら、応じてくれるか?

もちろんだ。ものすごく行きたい!

 

 

 

出典:어떤 적합 | Dazed

意訳あります。